アンドロイドの手

  • 2013.05.19 Sunday
  • 00:59

とある国で
秘密裏にアンドロイドの技術開発が行われていた。
開発コードは「マリオネット」。
遠隔地にいる人間の振る舞いを完璧に再現できる操り人形。
派遣した遠隔地で、表情や声、息づかいなどをリアルに伝えることができる。

その逆の技術は途上だが、高性能カメラや各種センサを組み込み
向こうの様子をある程度感じることができた。

ロボットアームを使って遠隔地の人と握手をする技術があるが、
これも組み込まれた。

開発は国の威信を賭け急ピッチで進められた。
A国と対立するFという国の首相が、いよいよ明日停戦のための調印式へと向かう。
その替え玉となる重要なミッションを抱えていたからだ。
暗殺される危険性さえある。相手国はそれほど信用ならない。
という理由から、このアンドロイドを差し向けることになっていた。


さて、F国はいよいよA国首相と握手して停戦へという流れに。
この日のために入念に調整されたその人形はF国首相そっくりにできていた。
もはや誰も疑わないだろう。

無事停戦を果たし、固い握手を交わしたとき、感情が溢れてきた。
元々同じ民族なのになぜ争っていたのだろう。

無骨ながらもやわらかなてのひらに人の温かい人のぬくもりを感じるF国首相。
ロボットアームの秀逸な出来栄えには感動すら憶えたが、
同時に自分の愚かさを恥じてもいた。


なぜ私は自ら出向かなかったのだ…。


一方そのころ、A国の山荘で涙を流してひとり嘆いている老人がいた。
私はなんでアンドロンドなんて差し向けたのだ。
「彼の手はこんなに温かではないか」と。




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